一部の語学堪能な人は別ですが
英会話をはじめとする外国語会話に苦手意識を持っている日本人は多いと思います
その苦手意識が、日本人を外国に出て行きにくくさせている原因の一つ
実際、外国を旅すると、「もっと英会話を勉強しておけばよかった」とか、「スペイン語が話せたらなー」などと感じてしまいますよね
僕もそう思いました
思い切って慣れない海外への旅、それも世界一周の旅に出たのはよかったのですが、片言の英語しか話せず、それなりに苦労しましたから
しかし、実際に旅を続けた結果、片言しか話せなくても、かなりのレベルで旅を楽しむことができるとわかりました
また、だんだんと外国の人とのコミュニケーションを楽しむこともできるようになって行きました
もちろん、バッチリ会話ができるレベルに比べたら全然足りないです
しかし、「片言しか話せない人でもなんとかなるし、楽しめる。外国語会話が苦手だから旅に出られないと思っていたら、それは違う」ということをお伝えしたくて、この記事を書いています
外国語会話が苦手でも旅を楽しめる理由
僕の経験から言って、外国語会話が苦手でも海外旅行を十分楽しめます
なぜなら
①会話がうまくできなくてもコミュニケーションはとれるし
②コミュニケーションがとれれば必要事項の伝達ができて旅を続けられる
③どんなレベルでも、些細なことでも、コミュニケーションがとれることそれ自体が喜びであり
④旅を続けられることそれ自体が喜びだから
です
以下、もう少し詳しくお話しします
言語はコミュニケーションの一部に過ぎない
ここで言うコミュニケーションとは、意思疎通、相互理解、共感、情報伝達みたいなものをざっくり表していると考えてください
普段、お互いに習熟した母国語同士でやりとりしているので、コミュニケ〜ションといえば言語であると思いがちです
しかし、言語に頼ることができない状況に置かれてみると、言語はコミュニケーションの一部分に過ぎないことがわかります
その場の状況、表情、言葉の発し方、身振り手振りなどで、どうしても伝えたいことは伝わる、ということが、経験として積み重なって、そのことが実感としてわかってきました
例えば、今行きたい場所はどこで、そこへ行くにはどうしたらいいか、今何に困っているか、何が欲しいかなど、どうしても伝えたいことは、一生懸命伝えようとします
そうすると、細かいことは別として、そのエッセンスは伝わるのです
特に、「困っているから助けてほしい」「本当にありがとう」「めっちゃ嬉しい」「大好き」「怖い」などという基本的なありのままの本心はしっかりと伝わる、そう感じることが何度もありました
そこから、日本で暮らしているときのコミュニケーションを振り返ってみると、「いくら上手に言葉を並べても、相手の心に響かないときがあったのは、それが本当の思いとずれていたからなんだな」ということに思い至りました
本当の思いは伝わるし、本当の思いしか伝わらないのです
もちろんビジネスの場面などで細かくて正確な情報伝達が必要なときはしっかりした言語が重要です
しかし、旅を楽しむという場面で一番大事なのは、最低限の意思疎通、分かり合えること、相互理解や共感です
人とイルカもコミュニケーションが取れるよね!
分かり合えること自体が大きな喜びだった
この「分かり合える」ということは、第一には、単に話が通じたということ、例えば、トイレはどこかを知りたいのだとわかってもらえて、その場所を教えてもらえた、というようなことです
普段、不自由のない母国語で話していると当たり前にできていることですが、言葉がほとんど通じない中では、小さなことでも話が通じると、ものすごく嬉しいものです
失って初めてわかるありがたさ、みたいな感覚
それプラス、初めての子供のお使いのドキドキと、できた時の喜び、みたいな感覚がありました
そしてさらに、言葉があまり通じなくても話が通じたときには、同時に「気持ちが通じる」「心が通じる」という状態にもなっています
なぜなら、こちらの一生懸命伝えようという「想い」と、相手の一生懸命分かろうとする「想い」が合わさらなければ、この相互理解は生まれないからです
ときには、相手が外国人である僕を面倒くさがって、「ここの言葉を話せないなら無理無理、あっちへ行って。シッシッ」みたいな態度を取られることもありました
これは非常に悲しかったし、傷つきました
それに対して、一生懸命分かろうとしてくれて、話が通じた時は、そこに共同作業を成功させたような一体感と喜びがありました
お互い、相手に関心を持ち、わかりあおうとするところに、コミュニケーションの大きな喜びがあったのです
当たり前と言えば当たり前ですが、言葉がうまく通じないというハードルがあるときだからこそ、その喜びを強く感じることができました
その言語ができるかどうかよりも、コミュニケーションを取ろうとする気持ちがあるかどうかの方が、ずっと大切でした
こちらが困っている場合は、「助ける」「助けられる」という関わりになりますが、そんなときも、上下関係ではなく、対等な共同作業となれば楽しいものです
例えばスペインにいれば「スペイン語ができる人」と「できない人」という上下関係みたいに捉えがちですが、同じ二人が日本にいれば立場は逆転します
本当は上下関係ではなく、単にお互いに共通言語を持っていないというだけのことなのです
そういう中で、困っている人を助ける喜びと、困っているところを助けてもらう喜びを、一緒に創っていると捉えれば、その作業は喜び以外の何ものでもありません
そういう理屈をいちいち考えてはいませんでしたが、言葉があまり通じない旅の中で一生懸命コミュニケーションをとっていると、自然と喜びが湧いてきました
そこにコミュニケーションの持つ本質的な喜びがあったのですね
日本にいて、言葉がうまく通じないからといって、外国の人を避けるときがあったけど、実は相手を悲しませるし、せっかくの喜びのチャンスを逃していることでもあるんだね
もっと言えば、日本人同士のコミュニケーションでも、分かり合える喜びがあるはずなのに、当たり前過ぎて忘れがちだね
コミュニケーション力を上げる方法
僕が実際に旅をしている中で、コミュニケーションがとれた!分かり合えた!コミュ力が上がった!と感じて嬉しかった場面を思い返すと、いくつかの共通点やヒントがありました
オープンマインドでいること
警戒感、不信感、不安感などに支配されて心を閉じたままでは、誰かと心を通わせることは難しいです
コミュニケーションの喜びの鍵が、心を通じ合わせることだとすれば、心を開いたオープンマインドでいることはとても重要です
もちろん時と場合によりますが、必要以上に「この国は怖いところだ」「この辺りにいるのは悪い人ばかりだ」というような気持ちでビクビクしながら、あるいは戦闘態勢で歩いていたら、周りの人だって話したくなくなるでしょう
むしろ、逆に、慣れない旅行者、いいカモと見透かされて、良からぬ輩に狙われやすくなる気がします
最低限必要な安全対策はした上で、あとは運命を信じて、流れに身を委ねるくらいの気持ちで悠々と歩いていた方がいいです
そうやって心を開いていれば、同じように心を開いている人にはなんとなく伝わるようで、自然と目があって、ニッコリし合い、オープンマインドの素敵な人たちとコミュニケーションをする機会が生まれてきます
笑顔とアイコンタクトは超重要
そう、笑顔とアイコンタクトは、コミュニケーションの最強ツールです
僕の場合、それを意識したわけではありませんでしたが、人とコミュニケーションをとる喜びを感じる体験を重ねるにつれて、自然な笑顔とアイコンタクトが普通になっていきました
先ほど述べたように、本心は伝わるものです
なので、大切なのは、上手な作り笑顔ではありません
必要なのは、本当に心から楽しんでいること、本当にコミュニケーションを楽しみたいと思っていることです
そういう気持ちになっていれば、嬉しくて自然と笑顔になりますし、話す相手と目が合います
そこでほぼ気持ちが通じ合ってしまっている状態ですよね
ミラーリング効果もあります
こちらが心から楽しい気持ちでいれば、それに相手も影響されますし、それが相互作用の相乗効果となってお互いにもっと楽しくなります
では、どうしたら心から楽しい気持ちでいられるのか?
一つ思うのは、旅に出た以上、「すべてを楽しもう」と心に決めて、「人間、死ぬときは死ぬし、生かされているうちは何があっても死なない」というくらいの覚悟で身を委ねていれば、心から楽しい気持ちになりやすいということです
世界の共通言語は、英語じゃなくて笑顔なんだね
さっきの話とは矛盾するかもしれないけど、楽しいから笑うんじゃなくて、笑っているから楽しくなるっていうのも一つの真実らしいよね
片言同士は話しやすい
僕は片言の英語しか話せませんが、英語を母国語としない東南アジアなどの国の人たちとなら、比較的気楽に話ができます
これが、英語を母国語とする人たちと話すとなると、途端に尻込みする気持ちになってしまいます
そこにも、コミュニケーション力のヒントがありました
劣等感で尻込みしない
相手も片言英語だと、劣等感なく話に入りやすいですが、英語のネイティブには尻込みしがちになります
でも、外国の人たちを見ていると、さほど上手な英語とは思えないのに自信満々で話していて、しかもそれが意外と英語圏の人たちにも通じているということがよくあります
なんだ、これでいいのか、と思いましたし、「伝わらないんじゃないかな」という不安感と、「伝わらないと恥ずかしいな」みたいな気持ちで尻込みしているから伝わらないんだということに気づかされました
伝えよう、分かろうと必死
英語を母国語としない国の人の多くは、外国人旅行者がその国の言語を話せないのは当たり前だと思っています
だから、一応の共通語である英語でコミュニケーションをとるのですが、どちらにとっても母国語ではないので、お互いに一生懸命伝えよう、分かろうと努力する姿勢になります
この伝えよう、分かろうと必死になる気持ちほど、コミュニケーション力を高めるものはないと感じました
シンプルなフレーズ
お互いにレベルの低い英語力しかない中で、なんとか伝えよう、分かろうとするのですから、自然とシンプルな文章、シンプルな単語を使うことになります
生半可に複雑な構文や難しい単語を使っても、かえってわかりにくくなるだけですからね
これはかなりハイレベルに英語を話す外国人と会話をするときにも役に立ちました
ちなみに、僕が子供の頃に受けた日本の英語教育ではあまり重視されていませんでしたが、実際に使える英語、伝わる英語というものがあるようです
非英語圏の外国の人たちで、欧米人と接することの多い人たちは、実地で使える英語、伝わる英語を身につけているので、それを真似するだけでもちょっと英会話が上達した気になれます
旅先の大部分は片言英語
バックパック旅行で旅をするときに選ぶ国や地域の大部分は、非英語圏です
アジア、中東、南欧、東欧、アフリカ、中南米などですね
ですから、バックパッカーが行く国や地域では英語が話せない人もたくさんいますし、話せても片言英語の人が結構多いです
だから、英会話が苦手なことは、あまり気にする必要がありません
先ほど述べたように、お互い片言英語でシンプルに、一生懸命コミュニケーションを取ればいいのですから、ちゃんと話せなくていいのです
それプラス、基本的なあいさつくらいは、現地語でできるようにすればバッチリです
日本にいて、外国人があいさつ程度の日本語を話しただけでも親しみを覚えるのと同じで、現地語を少し使っただけでも、コミュニケーションの取りやすさはだいぶ違ってきます
旅をしながら上達すれば良い
日本で時間とお金と労力を使って外国語を学ぶのも良いですが、旅をしながら上達していくことにも、一石二鳥的なメリットがありました
必要だから身に付く
人間、必要に迫られたら頑張るものです
非言語コミュニケーションが大事だと散々言いましたが、旅をしていると、どうしても外国語を使わなければならない場面は多々ありますし、同じような場面が何度も繰り返されます
例えば、乗り物、宿、買い物などですね
そういうときに、ネットやアプリでちょっと調べたりしながら、頑張って使った外国語は自然と身につくものですし、次からもっとスムーズに会話できるようになろうと思って、頑張って調べたり覚えようとしたりします
習うより慣れろ
毎日の大半を外国語の中で過ごしていると、自然と身についてくるものがあります
よく使う表現ほどよく耳にしたり口にしたりします
だから、必要な表現だけに集中的に慣れていき、使えるようになっていきます
ジムで筋トレするのではなくて、実際の競技や作業で必要な筋力をつけていく感じですね
旅の友は最高の教師
旅をする中で気の合う外国人の友達ができて、旅は道連れ状態になることがありました
外国人の友達と、何日間も、長い時間を一緒に過ごすようになるわけです
そうすると、お互いに伝えたいことがたくさん出てきますし、わかり合いたいと思います
なので、量的にもたくさん話しますし、質的にも簡単なあいさつを超えた少し深い内容まで話します
大抵は、向こうの方が英語力が圧倒的に上なので、そこで相手が使う表現を真似したり、自分がどう表現したら伝わるかを実感したりすることができます
すでに述べたようなコミュニケーションの喜びを味わうのと同時に、語学力も身について、まさに一石二鳥でした
語学力上達の一番の方法は、外国人の恋人を作ることだっていうもんね!
ほんと、そうだと思うよ!
困ったら助けてもらえば良い
コミュニケーションの極意は自分をさらけ出すこと、心の壁を取り払うことです
だから、その一環として、困ったら困ったで、助けてもらえばよいのです
弱みを見せてはいけないとか、恥をかかないようにしなければいけないとか、そういう見栄は捨ててしまったほうがよかったです
オープンマインドと通じますが、ダメな自分も受け入れてさらけ出せたときに、格段にコミュニケーションが円滑になりました
日本で普通に生活していると難しいかもしれませんが、旅先の外国だと見栄を捨てるのも比較的簡単でした
Google翻訳を利用することもできる
現代の旅に、スマホは大変重宝します
便利なアプリいくつもあり、旅を助けてくれます
翻訳アプリもいろいろありますが、基本的なものとして多くの人が使っているのがGoogle翻訳ですね
僕は、最初からこれに頼るのは面白くないので、できるだけ非言語コミュニケーションと片言英語で伝えるようにしていました
しかし、時と場合によっては、素早く正確に伝えなければならないケースもあります
英語以外の現地語でしか伝わらないこともあります
そういう時は、最後の手段として、Google翻訳で調べて話したり、訳文を表示させて見せたりすることもありました
Google翻訳に助けてもらうこともできるので、心配しなくてもいいのです
まとめ
外国語の会話がうまくできなくても、海外に旅に出ることは可能だし、十分にコミュニケーションを楽しめます
なぜなら
- 言語はコミュニケーションの一部分に過ぎず、本当の心は非言語で伝わるもの
- 些細なことでも分かり合えること自体が大きな喜び
- オープンマインド、笑顔とアイコンタクトで気持ちが通じる
- 伝えよう、分かろうとする気持ちが大事
- 多くの旅先が片言英語。片言英語同士だと意思疎通しやすい
- 旅をしながら上達するのが一石二鳥でおすすめ
- 困ったら助けてもらえば良いし、Google翻訳もあるから心配いらない
話せるかどうかより話そうとする気持ちがあるかどうかの方が重要っていうのが、心に響いたよ
うん、そして、完璧な準備完成を待っていたらいつまで経っても始まらない
旅をしながら対応していけばいいと思うんだ
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