世界一周の旅の経験などから、素敵な旅を創るためのヒントをご紹介しています
今回は「カメラ」と「レンズ」(初心者向け)です
「旅」と「写真」は、最高に相性の良い組み合わせですよね
僕が世界一周の旅で得た財産の多くは、人とのつながりや心の変化など、目に見えないもの、形に残らないものでしたが、唯一、目に見えて形に残ったものが「写真」でした
形に残っただけでなく、写真を撮ることそれ自体が旅の喜びにもなっていきました
しかも、僕が撮った写真をSNSに投稿して、思いがけず嬉しい反響をいただけたことも、旅のモチベーションになりました
そこでこの記事では、僕が感じた旅カメラを選ぶ視点と実際に世界一周の旅で使っていたカメラ・レンズをご紹介します
最近のスマホのカメラはかなり高性能なので、スマホだけで足りるという方も多いと思います
確かに、一般的なコンパクトデジカメだと、感覚的にスマホとあまり代わり映えしないかもしれません(高価なコンデジだと話は別ですが、ここでは省略します)
しかし、それなりの持ちごたえがあって高性能、そしてレンズ交換のできる一眼カメラであれば、撮影することそれ自体の歓び、そこから広がる写真の世界を遊ぶ楽しみなど、独特の面白さがあります
僕が考える旅カメラの目的は、旅のシーンを撮影すること自体の喜びを感じる、そして自己表現、あるいはアートとしての写真を楽しむことにあるので、この記事では、その目的に適した「一眼カメラ」を前提に話を進めます
旅カメラに興味のある初心者の方が、カメラとレンズを選ぶ際に、少しでも参考になれば幸いです
世界一周の旅に持っていったカメラとレンズはこれ
カメラ本体〜SONYα6000
レンズ〜①ソニー 単焦点レンズ E 16mm F2.8(SEL16F28)
②ソニー ウルトラワイドコンバーター VCL-ECU2
③ソニー 単焦点レンズ E 50mm F1.8 OSS(SEL50F18)
初心者向け、旅カメラの選び方
初心者向け、旅カメラの条件
僕が考える、初心者向け旅カメラの条件は次のとおりです
- 持ちやすくて手に馴染む(好きになる)
- 軽くてかさばらない
- 安い(高すぎない)
- ステキな写真を撮って活用するために有益な機能がついている
- その他(操作が簡単で壊れにくい)
順番に説明します
持ちやすくて手に馴染む(好きになる)
これは、一番目に挙げるだけあって、とても重要です
カメラそのものを好きになると、撮影のモチベーションも上がります
そもそも、まずカメラを手に持たないことには、撮影が始まりません
理想的には、いつも持ち歩き、いつでも撮影できるようにしておくこと
人は、手触り、手の感触を、実はとても大事にしていて、手に馴染まないとお気に入りになりません
例えば、子供であればおもちゃやぬいぐるみ、大人でも手帳、財布、扇子、ブックカバー、スマホケースなど、手に馴染むものは、持っているだけで気持ちを落ち着かせてくれますよね
カメラがそんなお気に入りの存在になれば、いつもそばにいる相棒、さらには癒しグッズにさえなるかもしれません
それと、持ちやすさも重要です
なぜなら、旅カメラは、大自然の中や街の中を動き回りながら、疾走する乗り物の上、足場が悪い崖っぷちなどいろいろなシチュエーションで活躍するものだからです
簡単にスルッと手から滑り落ちるようでは、危なくて撮影しにくいし、ストレスにもなります
軽くてかさばらない
移動の多い旅では、荷物の軽さ、コンパクトさは極めて重要です
荷物の中でも、カメラやレンズの重さや大きさは影響が甚大です
また、大きな荷物は宿に置いて出歩くにしても、あまりに重いカメラだと、「持っていくのやめとこうかな」と思ってしまいます
いつも手にして気軽に撮影するためには、レンズを含めたカメラの軽さは超重要です
じゃあ、どのくらいの重量だったらいいのか、という問題になりますが、これは人それぞれの許容範囲があるので一概には言えません
ただ、一つのメーカーのカメラを比較したり、いくつかのメーカーの同レベルのカメラを比較したりすることで、自然と目安ができます
僕が持っていったカメラの本体重量が300グラム前後であることは、一つの目安になると思います
なお、軽さだけを求めるなら、スマホ、あるいはコンパクトデジカメの方が軽いわけですが、写真をより楽しむという目的の観点から、一眼カメラをお勧めするのは、冒頭で述べたとおりです
そして、一眼カメラの中でも、従来からある一眼レフカメラよりも、ミラーレス一眼カメラの方が、一般的に軽くてコンパクトに作られていますし、対応するレンズも軽いので、初心者向け旅カメラとしては、ミラーレスをお勧めします
安い(高すぎない)
いいものを求め出すときりがありません
お金が有り余っているなら別ですが、そうでないなら、そして、これから写真と深く関わり続けるかどうかまだわからないなら、まずは初心者向けの入門機、比較的安いものでいいと思います
というのは、主要メーカーが出しているたいていのカメラは、それなりの基本性能を備えているので、それ以上の高機能はなくても大丈夫だからです
また、その人にとってのいい写真が撮れるかどうかは、カメラの性能以前の要素、例えば撮影者の感性や気象条件などに左右される部分が大きいので、最初からスペックにこだわる必要はありません
もしスペック的なことを考えるなら、まずはレンズにこだわった方が写真の出来栄えに影響します
そして、一般的に、同じ種類なら、高価なカメラほど、重量が重くなります
ステキな写真を撮って活用するために有益な機能がついている
自分の撮った写真が綺麗だったり、印象的だったりして、自分的にステキだなぁと思えたら、撮影がどんどん楽しくなりますよね
そのために必要な機能は、たいていのカメラに備わっているので、カメラの機能については、あまり気にしません
ただ、僕が考慮したのは3つ
一つめは、イメージセンサーサイズです
イメージセンサーとは、人間で言えば「目」あるいは「視神経」にあたり、デジタルカメラが画像情報をキャッチする板のようなものです
ざっくり言うと、これが大きいほど画質が良くなるので、通常のカメラで一番大きい「フルサイズ」か、その一つ下の「APS-C」のいずれかがいいと考えました
そして、APS-Cでも十分な画質が得られ、フルサイズよりもAPS-Cの方が、安価で軽いものが多いので、旅カメラとしてはAPS-Cを選びました
初心者向けのカメラだと、さらに小さなサイズのマイクロフォーサーズなどもありますが、ここは画質に直結するので、ちょっとだけこだわったポイントです
二つめは、片目で覗く「ファインダー」がついていること
小型のデジタルカメラの多くは液晶モニターしかついていませんし、一眼カメラでも液晶モニターだけのタイプのものもあります
しかし、液晶モニターだけでは、細かいところまでしっかり見るのが難しいですし、光の加減でさらに見えにくくなることもあります
この点、ファインダーなら、はっきりしっかり見ることができて、撮影が楽しくなります
三つめは、画像データをスマホなどに転送するWi-Fi接続機能がついていることです
旅先で撮った写真は、できるだけ素早く簡単にSNSに投稿したり、友達とシェアしたりしたいですよね
そのためにデジタルカメラで撮った画像データをスマホなどに取り込む方法はいくつかありますが、結論として、最も簡単でお勧めなのがカメラのWi-Fi接続機能を使って転送することです
この機能も、最近のカメラにはたいてい備わっていますが、中にはついていないものもあるので念のため挙げておきました
イメージセンサーサイズがAPS-C以上
ファインダー付き
ワイファイ転送機能付き
をチェックってことだね!
その他(操作が簡単、壊れにくい)
その他は、付随的なものなのでまとめてしまいますが
1 操作が簡単なこと
これは、人によって感じ方が違うので、実際にダイヤルやボタンを操作してみて感覚的に判断しました
2 壊れにくいこと
これは、ちゃんとしたメーカーのものなら、特に気にする必要はありません
ただし、これに関連して一つ気になるのは、防塵防滴性能が備わっている方が安心ではないか、ということです
防塵防滴性能が高いものは値段が高く、重量も重くなる傾向があるので、予算や軽さなどとの兼ね合いで判断するしかありません
僕は、気をつけていればおおむね大丈夫なので、必須ではないと思いますが、雨の中や砂漠の中での撮影が多いなど、過酷な環境が想定されるなら、防塵防滴に十分配慮した設計のカメラの方が安心です
SONYα6000の良かったところ
僕は、主に予算の関係から、ミラーレスカメラの入門機の中から選択しようと考えて、比較検討しました
そのとき他に比較したのは
・オリンパス「PEN」
・キャノン「Eos Kiss」
・パナソニック「LUMIX」
・富士フィルム「Xシリーズ」
・オリンパス「OM-D」
などでした
その結果、僕がSONYα6000を選んだ一番の決め手は、持ちやすさ(グリップ感)です
他の入門機と比べて、グリップの部分がちょうどよい感じで大きく膨らんでいて、指を引っ掛けて手全体でしっかり握ることができるところがとても手に馴染みました
二番めの理由は、センサーサイズがAPS-Cだったことです
あとは、本体のみだと約285グラム(バッテリーとメモリーカード込みだと約344グラム)の軽量コンパクト設計、本体5万円台という価格、電子ビューファインダー、Wi-Fi通信機能など、先ほど挙げた条件を満たしていたことから、これでオッケーと思って決めました
同じSONYのαシリーズでは、より安価なα5100というのもありましたが、ファインダーがついていませんから除外しました
また、同じAPS-Cタイプのエントリーモデルでも、より高機能のα6100、α6300、今ならα6400というものもあり、予算に余裕があるのなら、これらでもいいと思いますが、当時は、価格がやや高くなるのと、そこまでの高機能は必須ではないなと思ってやめました
なお、α6000で妥協したのは、α6300以上の上位機種ではうたわれている防塵防滴性能がついていないことでした
そのせいかどうかわかりませんが、雨季に行ったペルーのマチュピチュまでのインカトレイル・トレッキングで、連日の雨の中を歩き続けた結果、カメラが作動しなくなり、その後、修理に出して直さなければなりませんでした
したがって、防塵防滴性能を重視するなら、若干高価で少しだけ重くなりますがα6300(本体約361グラム。バッテリー等込みで約404グラム)やα6400(本体約359グラム。バッテリー等込みで約403グラム)の方がいいと思います
というより、今、SONYα6000シリーズの入門機を買うなら、普通は最新のα6400、または型落ちのα6300になりますね(※その後α6600が出ましたので、最新はこちらになります)
その中であえてα6000を選ぶというのは、必要最小限の機能と価格、その軽さを重視した、こだわりの選択と言えます
ところで、防塵防滴性能では妥協したα6000ですが、その後ヒマラヤで激しく転倒した際、カメラも岩に強打したにもかかわらず、少し欠けただけで、撮影機能に支障は生じませんでしたから、基本的な堅牢さは十分に備わっていたと言えます
タフに使えるというのは、動きの激しい旅の中では、ストレスなく旅を楽しみ、ストレスなく撮影ができて、非常にありがたいです
初心者向け、旅レンズの選び方
ここでの検討事項は
・何本持って行くか
・ズームレンズか単焦点レンズか
・広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズのどれを持って行くか
・SONYα6000シリーズにつけるならどれか
です
何本持って行くか
たくさん持って行けるなら、絞り込む必要はありませんが、旅用なので、できるだけ軽く、少なくしたいところです
レンズの重さにもよるので、本数で決めることはできませんが、ざっくりいうと、「できれば1本、2本なら許せる、3本以上となると結構きついが写真を重視した旅をするなら頑張る」という印象です
もちろん、実際には、もっとたくさん持って行く人もいますので、何を重視するかによって人それぞれです
ズームレンズか単焦点レンズか
ズームレンズであれば、広角から望遠まで1本で済ませることも可能ですが、カメラ本体とセットでついてくる安価な標準ズームレンズ(キットレンズ)は、写りがあまり良くありません
したがって、1本だけズームレンズを持って行くなら、キットレンズをつけずに本体だけ買って、もう少し性能の良いズームレンズを別に買うという方法があると思います
ズームレンズにも、広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームがあるので、どんな写真を撮りたいかによって選ぶものが変わってきます(これについては、次の項で触れます)が、初心者であれば標準ズームレンズでいいと思います
ただし、キットレンズがダメだというわけではありませんので、まずは標準ズームレンズをセットで買って使ってみてから、自分の好みのレンズを見つけて買い足す方が無難ではあります
また、単焦点レンズは、ズーム機能がないので、常に一定の画角でしか撮影できませんが、値段の割に写りが良いです
僕の場合どうしたかというと、標準ズームのキットレンズ付きでカメラを買い、少しの間それを使いましたが、間もなく単焦点レンズを買い足して使うようになりました
そして、標準ズームレンズは全く使わなくなり、世界一周の旅には、単焦点レンズだけを持っていったのです
単焦点レンズは、画角を変えられないので、自分が前後に移動して、ちょうどいい大きさで写せるように調整しなければなりません
この作業は、一見面倒ですが、構図などを体で覚えるのに役立ちましたし、そのレンズの効果的な使い方を発見して行く面白さもありましたので、単焦点レンズは初心者にもおすすめです
広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズのどれを持って行くか
僕が持っていったのは、簡単に言うと、単焦点の超広角レンズと、単焦点の標準レンズです
超広角レンズは、一般的に壮大な風景写真を撮るのに適しています
僕は、そういう風景写真を撮りたかったので、超広角レンズ(正確には16ミリの単焦点レンズとそれに接続することで12ミリに変換するコンバータレンズ)を選びました
それ1本でも足りたかもしれませんが、ちょっとした物や人物を撮影したくなる場面もあるだろうし、万が一の予備レンズもあった方がいいと思い、50ミリ(ポートレートなどに適した画角)の標準単焦点レンズも1本持って行きました
もし、遠くから人や動物を撮りたいとか、風景でも一部分を切り取って撮りたいというのであれば、望遠レンズを持って行くことになると思います
結局、広角、標準、望遠の選択と、ズーム及単焦点の選択とをどのように組み合わせるかは、自分がどんな写真を撮りたいかにかかってくるので、そこに正解も間違いもありません
メーカーのホームページなどでレンズごとの撮影例を見ることもできるので、イメージを膨らませながら、レンズ選びを楽しんでください
持っていったレンズ(SEL16F28,VCL-ECU2,SEL5018)の良かったところ
僕が単焦点レンズだけにしたのは、撮りたい写真のイメージが明確だったことに加え、安くて、写りが良く、軽いからでした
①ソニー 単焦点レンズ E 16mm F2.8(SEL16F28)は、69グラム、約23000円
②ソニー ウルトラワイドコンバーター VCL-ECU2は、125グラム、約14000円
組み合わせると、合計193グラムとかなり軽く、37000円前後と他の純正レンズと比べて安価ですし、レンズの明るさを示すF値も2.8と十分明るいです
もちろんコンバータレンズを外して、16ミリの単焦点レンズだけで使うこともできます(ちなみに、APS-Cの16ミリは、フルサイズに換算すると24ミリ。他も1.5倍するとフルサイズカメラでの数値になります)
③ソニー 単焦点レンズ E 50mm F1.8 OSS(SEL50F18)は、202グラム、約28000円と、軽くて安価ですし、F値1.8(小さいほど明るい)と明るくて写りの良いレンズです
厳選すれば①だけでも良いくらいで、そうなるとかなり軽量化できます
「安い、軽い」と言われても比較対象がないとピンと来ないかもしれませんが、ざっくり言うと、もっと高価なレンズでは、重さも値段も、この3倍、4倍、あるいはそれ以上になります
なお、サードパーティ、つまりいろいろなカメラメーカーのカメラに向けてレンズだけを作っている別の会社(SIGMA、タムロンなど)の製品を視野に入れれば、もっと安く、いろいろなバリエーションから選択する可能性が広がりますが、ややこしくなるので、この記事ではSONYの純正レンズだけを取り上げました
参考までに、もし、僕がα6000シリーズにつけるソニー純正の標準ズームレンズを1本持って行くとしたら、という観点からソニー E PZ 18-105mm F4 G OSSと少し値は張りますがソニー 標準ズームレンズ Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS(SEL1670Z)ご紹介します
また、超広角の風景写真メインで撮影するならソニー 広角ズームレンズ E 10-18mm F4 OSSも選択肢に入ります
まとめ
初心者向け旅カメラは
- 持ちやすくて手に馴染む(好きになる)
- 軽くてかさばらない
- 安い(高すぎない)
- ステキな写真を撮って活用するために有益な機能がついている
- その他(操作が簡単で故障しにくい)
といったことを重視して選ぶのがおすすめです
初心者の旅レンズとしては
- 好みのズームレンズを1本持って行く
- 好みの単焦点レンズを1、2本持って行く
- あるいは1、2の組み合わせ
のいずれかがいいと思いますが、いずれにしても、できるだけ軽量化するのがおすすめです
僕自身が世界一周の旅に行った際は、SONYα6000に、①ソニー 単焦点レンズ E 16mm F2.8(SEL16F28)と②ソニー ウルトラワイドコンバーター VCL-ECU2を組み合わせた超広角レンズをメインに使い、サブ的に③ソニー 単焦点レンズ E 50mm F1.8 OSS(SEL50F18)を使いました
実際に行くまでは、これでいいのかよくわかりませんでしたが、この軽くて手に馴染むカメラとレンズが相棒のようになり、自分なりに満足のいく写真が撮れたので、これで大正解、という結果になりました
結局、大切なのは、自分なりに気に入る道具を選んで、ともかくスタートすること、そしてあとはどんどん使って楽しむことだね!
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